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■大人計画、松尾スズキの初ミュージカル。【キレイ】

『ケガレと自ら名乗った女の自己再生の物語…』
 
◆ お気に入り ◆
    ◆カスミを庇って撃たれた"損しちゃった" なケガレと彼女をストレッチャーに乗せ運ぼうとする皆を払いのけ「この親切は私のものなの! 私の親切の邪魔をしないでーっ!」と一人で運ぼうとするカスミ。
     
    ◆慰謝料として、自分の身の丈分貯めた小銭を貰って!とあげようとするミサと拒否するハリコナ。 拒否された袋の中にはケガレが…。
     
    ◆ダイズ丸「生き恥晒すってのは生きてる実感の醍醐味よ?」
     
    ◆ミサ「やばいよ。悲しさがたんないよ。こんな悲しさじゃカスミの事きちんと悲しめないよ!感じたいな、感じれない私はもう嫌いだよ!お金ためても一文無しになっても、なんにもかわんなかったもんなーッ!!」
  ミサのつもり。
<ストーリー>
舞台は、クマズ、キグリ、サルタの3つの勢力が激しく争う架空の日本。 死ぬと食料として缶詰になり食卓にのぼる大豆で作られたダイズ兵 (賞味期限が切れる前に死んで人に美味しく食べられる事が幸せ)らが 戦う中、その死体を回収し転売する事により代価を得ていたカネコ組は、 記憶喪失の少女ケガレに出会う。彼女は蜂に頭を刺されたせいで知恵 遅れになったハリコナに気に入られ、彼らの仲間に加わる。やがて、 ケガレの卑しさが、ダイズ兵の遺体を引き取る缶詰工場の令嬢である カスミの目に止まる。カスミは自分のしている慈善行為が偽善であり 自己欺瞞である事を理解していて、だからこそ裏表が全くないケガレに 惹かれる。そしてケガレはカスミの裏表があるという事がいいといい 、彼女らの間にしだいに友情が芽生えていく。しかし、常に付き 纏う「カミ」の言葉はケガレの不安感を煽りたてる。思い出しちゃ いけない、いや、思い出さなければいけない、なにかがあったはず……
  
とストーリーを書くと、とても暗く重い話のように思えますよね。 実際テーマも確かに重いです。ですが、そこかしこに鏤めた笑い、 不幸をそのまま受け止め笑い飛ばす力強さがあるので、3時間 辛くて仕方ないなんて気持ちにもならず、丁度良い距離感で飽きずに観れます。
 
キャストは、主演のケガレを奥菜恵、成長したケガレことミサを南果歩。 ケガレといい仲になるハリコナを阿部サダヲ。頭を打ち頭脳明晰 (ついでにゲイ)になる青年ハリコナを英介さんが演じられています。 他にも生殖機能が付いてるダイズ兵の変わり種、ダイズ丸に「劇団新幹線」 の古田新太さん、ハリコナ達の肝っ玉母ちゃん、カネコキネコ役に 片桐はいりさん、そして綺麗なだけではない裸での体当たり演技から 、お茶目な面まで演じきったカスミお嬢様役の秋山菜津子さん等、 個性派俳優が勢揃いです。そして、音楽はマジシャンの銃創から 生まれ出た"カミ"役もつとめる伊藤ヨタロウ氏が担当し、ロックから ボサノバ、はたはキャラソン?(汗)というようなタイプの曲まで ちりばめて、まさにごった煮状態。どう纏めるのか心配になりそうな ものですが、ひとたび物語が始まると、それぞればらばらに見える 要素がぴたりとはまる。この辺は、松尾さんならではでしょうね。
主演の奥菜さんに関しては、映像で見る限り 肝心の歌が、声も出てない音程もまずいと、歌えてなかったのが残念。 (この辺は実際、舞台を生で観てないので生だとまた違うのかもしれません) 一応ミュージカルなのに、これで主役でいいの?って気はしましたが 芝居の初々しさや、お金に関しての素直な卑しさ、嫌味のなさは よく表現出来てたと思います。DVD化されているので機会があり ましたら、是非ご覧下さい。^^

 

 

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